【季節と共に巡る、洗練のサイクル】
春は軽やかに。夏は涼しげに。秋は彩りを。冬は温もりを。
季節を楽しむ衣服のように、頭の使い方にもドレスアップを。
成長し続けるための、「洗練のサイクル」をお届けします。
(2−3月のテーマ:理想像の洗練)
1週目:計画を立てる前にすべきこと
2週目:目標にふさわしい自分になる
3週目:過去の自分との向き合い方
4週目:行動を変える最も確実な方法
(季節の方針・春)
種を蒔く=見通しを描き、目標を定める
立春→雨水→啓蟄→春分→晴明→穀雨
目標の洗練→理想像の洗練→世界観の洗練
(前回までの流れ:セルフイメージについて)
目標を決めてすぐ計画を立てても、古い自分の発想でしか考えられない
目標を決めたら、まず「目標達成にふさわしい自分」を設定する
まずは目標を達成している人のマネをして、「演じる」ことから始める
今回は、理想像を演じる際のネガティブな側面、過去の自分との向き合い方について。

目標に対して、自信が揺らぐ時
大きな目標を掲げた時、新しい挑戦を始めた時、「過去の自分」はハードルになります。
過去に前例がない中で、本当に達成できるのか
経験や実績がない中で、本当に自分にできるのか
この先に道はあるのか、自分で道は作れるのか
人は過去の経験や事例を参考にしながら未来を予測しようとします。経験や事例があれば自信をもって挑戦することができ、なければ不安を感じます。
そのため、「今までにない挑戦」は最も人を不安にさせます。

過去の呪縛は強い
挑戦が困難であるほど、理想の自分像を描くことは難しくなります。なぜなら、「今までの自分」は「未来の自分」よりも説得力があるからです。
過去の自分には、十分すぎるほど事実・根拠がそろっている
過去の経験をもとに考えると、未来の自分には現実味がない
いくら理想の自分を想像しても、そうなる保証はどこにもない
目標を決めた最初の時期は、勢いがあって未来の自分を演じやすいかもしれません。しかしそのままでは、途中で息切れして今までの自分に戻ってしまいます。
目標達成にふさわしい自分、つまり未来の自分を実際に体現するには、この強力な「過去の呪縛」から抜け出さなくてはいけません。

過去・現在・未来の本当の関係性
一般的に、「過去は変えられないもの」と考えられています。
過去は事実であり、事実は変えられない
過去から現在、現在から未来へと時間は流れている
未来を創るのは現在であり、過去である
過去に成功体験が多い人ほど、未来に対して楽観的になる傾向があります。そのため、多くの学校や会社では、「成功体験を積み重ねることが大切だ」と言われます。
しかし……本当にそうでしょうか?
自転車に乗れるようになった時のことを思い出してみてください。

自転車に乗れるようになったのは、過去に成功体験があったからでしょうか?
自転車に乗れなかった事実は、未来に悪い影響を与えたのでしょうか?
自転車に乗れなかった過去から、未来を正確に予測できたでしょうか?
たとえ過去に失敗しかなくても、私たちは自転車に乗れるようになりました。
過去の失敗は、未来の成功に悪影響を及ぼしていません。それどころか、失敗を重ねたからこそ自転車に乗れるようになったと言えます。
過去の失敗は、事実としては変えられません。しかし、それによって未来まで決定づけられるということはありません。
未来を考える上で、過去の自分は参考にならない
自転車の例からわかることは、「過去が未来を決めるわけではない」ということです。
理想の未来に向かって進んでいれば、たとえ過去にどれだけ失敗しようとも、人は着実に前進します。そして、一度成功してしまえば、過去の無数の失敗はすべて浄化されます。
人は成功を記憶し、失敗を忘れるようにできているというわけです。
過去は過去、未来は未来。何があろうとも、私たちは成功に向かう習性を持っています。うまくいくと思っても、うまくいかないと思っても、どちらも成功に行き着きます。
そう考えると、「過去の自分」との向き合い方は自然と見えてきます。
自転車の練習と同じように、できない自分に囚われる必要はありません。未来から見れば、失敗は改善のための情報になります。
失敗を「ダメな自分」の証拠だと思う必要はありません。今の自分の状況や状態(=現在地)がわかるからこそ、未来の成功(=目的地)に向かう道すじがわかります。
過去の自分は、克服したり否定したりするものではなく、未来の成功のために「理解」するものです。だから、未来の自分と過去の自分は違っていて当たり前です。

未来を変えると、過去も変わる
未来が明確であるほど、過去への囚われも達成への不安もなくなります。ですから、うまくいく未来を想像し続けることが大切です。
未来を具体的に描くほど、過去に対するも変わります。
実際の過去・現在・未来の関係性は、次のようになります。
過去の事実は変えられないが、過去の捉え方は変えられる
未来を変えれば、現在も過去も変わる
つまり、時間は未来から現在、現在から過去へと流れている
自分を責めたり否定したりする必要はありません。未来の成功を実現するための材料として、過去の自分をうまく活用していきましょう。

(今週のワーク/次回の予告)
「過去の自分」をもとに、未来の可能性を広げてみましょう。
もしも未来がうまくいくなら、過去の経験にはどんな意味がある?
過去の自分に魅力が秘められているとしたら、それは何?
成功を手に入れた未来の自分は、過去の自分をどう理解している?
何か試したこと・気付いたことがあれば、ぜひメールやコメントで教えてくださいね。
言葉と思考を洗練させる習慣を身につけて、変化する楽しさ、成長し続ける喜びを分かち合っていきましょう。
【「洗練の習慣」を体験してみたい人はいませんか?】
Dress Words Upでは、思考と言葉を洗練させるワークショップを毎月開催しています。
1ヶ月を振り返って整理する、思考の洗練
季節ごとのテーマを深める、行動の洗練
質問や対話で言語化を重ねる、伝え方の洗練
ちなみに2−3月のテーマは、『理想像のドレスアップ』です。
成長し続けるための、「洗練の習慣」をお楽しみください。
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