🌸春3-1 ビジョンの実現を容易にする「世界観(舞台設定)」の秘密
- 福田幸志郎
- 3月21日
- 読了時間: 6分
更新日:4月16日
【季節と共に巡る、洗練のサイクル】
春は軽やかに。夏は涼しげに。秋は彩りを。冬は温もりを。
季節を楽しむ衣服のように、頭の使い方にもドレスアップを。
成長し続けるための、「洗練のサイクル」をお届けします。
◎ 季節の方針・春
種を蒔く=見通しを描き、目標を定める
立春→雨水→啓蟄→春分→晴明→穀雨
目標の洗練→理想像の洗練→世界観の洗練
◎ 3-4月『世界観の洗練』の流れ(もくじ)
1週目:世界観(舞台設定)のメカニズム
春分を過ぎると、本格的に春の到来です。気候が暖かくなり、始まりの予感がしますね。
Dress Words Upでは2月4日頃の立春を一年の始まりと捉え、そこからの春の3ヶ月間を「知性を働かせてビジョンを具体化する時期」と定義しています。
1−2月:目標設定(何を目指すか)
2−3月:理想像(どんな人になるか)
3−4月:世界観(どんな世界で生きるか)
春分は、いわば折り返し地点。ここから3ヶ月の後半・仕上げに入っていきます。
春の3ヶ月、最後の洗練テーマは「世界観(舞台設定)」です。
日常ではあまり使わない言葉ですが、世界観はビジョン実現の難易度を左右します。
同じ目標を達成するのでも、苦しみに満ちた世界と喜びに満ちた世界とでは、実現の可能性は違いますよね。
せっかく目標やビジョンと向き合うなら、苦しいことばかりではなく、たくさんの喜びや楽しみ、気付きや成長がある方がいいはずです。
どうすれば、そんなことが可能なのか? 今月は「世界観(舞台設定)」について思考を洗練させていきましょう。
まずは世界観への理解を深めて、ビジョンを実現するための舞台を整えてまいります。

(もくじ)
世界観とは何か
今週はまず、「世界観」の定義や概念から始めます。
私たちは、世の中や人間について自分なりの意見を持っています。
「この世界はどんなところ?」
「人間とはどういう生き物?」
「人生とはどのようなもの?」
……これらの問いに、あなたならどう答えますか?
その答えこそ、あなたの「世界観」です。(人間観、人生観、あるいは「ものの見方」という言い方もできます)
人は誰しも、自分が定義した世界観の中で「どう生きるか」を考えます。
自分の経験をネガティブに捉えている人は「苦しい世界でどう生きるか」を考え、ポジティブに捉えている人は「楽しい世界でどう生きるか」を考えます。
同じ国・同じ地域・同じ会社にいたとしても、必ずしも「同じ世界」で生きているとは限らない、というのが世界観のポイントです。
このような「環境に対する捉え方」のことを、「世界観」と定義します。演劇や映画でいうところの「舞台設定」にあたります。
自分が主演の物語において、どんな舞台設定を施すか……これを考えることを「世界観の洗練」といいます。
世界観(舞台設定)のメカニズム
「どんな世界で生きるか」という問いは、人生にとても大きな影響を与えます。しかし、多くの人は認識すらしていません。世界観は、認識すること自体がとても難しいものです。
人間にとっての「世界観」とは、動物にとっての「酸素」、魚にとっての「水」のようなものです。認知能力・認識能力を持つ人間にしか、気付くことはできません。
「自分は何がしたいか」「自分はどんな人か」という問いは、多くの人が考えたことがあるでしょう。
しかし、「それをどんな舞台で実現するか」という問いは、思いつくことすらありません。

あなたはどんな世界にいて、どう生きようとしている?
以前、弊社の「勉強を教えない塾」に通っていた中学生の事例をご紹介します。
あるクラスで、「あなたはどんな世界で生きていて、どう生きようとしている?」と質問してみたことがありました。彼らから返ってきた意見は、およそ次のようなものでした。
「思い通りにいかない世界で、とりあえず生活に困らないように、受験をがんばる」
「一人では生きていけない世界で、人に嫌われないように、人に合わせて生きる」
前向きな世界観を持っていたのは、前向きに日々を生きている一部の生徒だけでした。
「がんばれば報われる世界で、やりたいことを実現するために、いろんな経験を積む」
「応援してくれる人が多い世界で、みんなに喜ばれるように、自分らしく生きる」
……同じ日本、同じ京都に住む、同じ世代の中学生でさえ世界観はまったく違います。そして、その違いが勉強や人間関係との向き合い方を決めています。
がんばるだけ無駄な世界とがんばれば報われる世界、同じ勉強をがんばるなら、後者の方が圧倒的に意欲が湧きます。この違いは中学生にとっても衝撃的でした。
「勉強へのモチベーションの差は、世界観の違いから来ていたのか!」
自分の世界観に気付けたことで、自分の捉え方を見直せるようになった生徒もいました。
まずは自分の世界観に気付く
文化や価値観が異なる人と関わらない限り、自分の世界観を見直す機会はまずありません。それくらい、世界観とは「自分にとって当たり前」すぎて気付けないものです。
目標達成も、自己成長も、困難な世界で挑戦しようとするから難しくなります。まずは自分がどんな世界観を持っているか、気付くことが大切です。
気付いてしまいさえすれば、捉え方を見直してアップデートすることができます。
自分の世界観に気付くプロセスには、さまざまな気付きがあります。喜びや苦しみの理由が理解できたり、困難に動じない態度が芽生えたりします。
それを経て、世界観が洗練されていくことで、人は人生そのものを変容させていきます。
より良い世界観を描くほど、人は自分を肯定的に捉え直し、自信を持ってビジョンに向かっていくことができます。
状況や出来事そのものが人を不幸せにするわけではありません。状況や出来事に対する「ものの見方」、つまり世界観が人の充実度・幸福度を左右します。
自分がどんな世界観で生きていきたいか、言語化・具体化していくことで、理想の生き方を実現していきましょう。
今週のプチワーク:今年、どんな世界で生きる?
今月は、1ヶ月かけて次の問いを深めてみてください。
世の中・人間・人生をどのように捉えていますか?
どんな世界なら、積極的に生きようと思えますか?
今年の目標にふさわしい、理想の世界観とは?
最初は的確な言葉が出てこなかったり、考えがまとまらなかったりするはずです。
何度も言語化を重ねて、自分の意見を研ぎ澄ませていきましょう。
メールやコメントを頂けたらフィードバックできるので、ぜひ気軽にご意見・ご感想をお寄せください。

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Dress Words Upでは、思考と言葉を洗練させるセッションを毎月開催しています。
1ヶ月を振り返って、「人生の物語」を紡ぐ
問いを重ね、「理想の世界観」を具体化する
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思考と言葉を洗練させる習慣を身につけ、次のビジョンを実現していきましょう!
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